雪原の月影 満月(月夜)

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レビュー

11月もBLを読むぞ!

「雪原の月影 満月」(月夜)

↑Amazonに飛びます。
そういえば、マンガは最近増えてきたけど、小説で受けや攻め単独イラスト表紙って珍しいのでは。

↑上巻「三日月」のレビューはこちら

上巻の内容を忘れないうちに、下巻も読み切ることに成功しました。
やっぱり長い。そして堅い言葉で書いてあるから大変。
でもすらすら読めちゃう。

後半は、徐々にガンチェに老いがやってきます。
クルベール病という成長しない病にかかっているエルンストは、若々しいままで年を重ねていきます。
この絶対的なすれ違いがたまらなく萌えます。

満月といえば藤原道長曰く、
「望月の欠けたることもなしと思へば」
と、人生と重ね合わせればまさしく絶頂期の喩えに使われるのが常でしょう。
恋愛関係でいえば、それは蜜月といえます。

そもそもBLに限らず、恋愛小説って、
「好き!」→もやもや→解決!
でエンドマークを打って終わる作品が多いと思います。
ハッピーエバーアフター。
その後は幸せに暮らしました、めでたしめでたしっていう訳で。

しかし、この話の中で「満月」と章タイトルにつけられているのは、彼らそれぞれが死を迎える話です。
最貧領地・メイセンをどうにかしようと奮闘している彼らの人生で、欠けたもののない完璧な時期というのはないかもしれませんが、それでも恋愛関係においては、破局もなく、長い間をお付き合いしているのでずっと絶頂期のようなものでしょう。
なのに「満月」をわざわざ死に持ってきたのは、死が二人を分かつものではなく、最終的には絆を永遠にすることだからじゃないかな、と思います。
特に、領主であるエルンストの周りにはガンチェ以外にもたくさんの人間がいて、「二人きりで過ごしたい」というガンチェのささやかな願いが叶えられたのは、その死の間際でした。

人が精一杯生きて死んでいくところまで描く。
BL小説というよりは、大河小説を読んでいるような気持ちになりました。もうぶっちゃけ、エッチなシーンは読み飛ばしてもいい! ってくらい、その他の内政やら外交やらの要素が面白すぎる・・・・・・。
(それはそれで、BL小説に対して失礼なことを言っている気がするな?)

ラストの一段落、彼らの死後の出来事について伝える文章で一番泣きました。
エルンストやガンチェをはじめとしたメイセンの人々の、ここまでの上下巻合わせて800ページくらい? で描かれた人生のすべてが思い起こされて。
こういう構成の話、大好きだし、めちゃくちゃ憧れますね。
ここまで長い話が書けないのが悩みですが・・・・・・。

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