獣はかくしてまぐわう(沙野風結子)

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レビュー

11月本を読了するまでは次の本買えない。
っていうか普通に金欠で買えない。
(WESTのチケット当たりますように!:当落日まだ)

「獣はかくしてまぐわう」(沙野風結子)

「獣はかくして交わる」の続編です。

【あらすじ】東界連合壊滅という目的の一致で繋がった警視庁組対部刑事・鹿倉と無戸籍児集団エンウの頭・ゼロ。体を重ね、ともに朝を迎えることにはいまだ慣れないが、同じ方向へと走る相手の存在はひどく奇妙で心強い。十月下旬、東界連合のリーダー・遠野が一時帰国するという情報が入った。東京地検検事・桐山に目をつけられつつも、二人は遠野に心酔する煉条をマークするが……? 男たちのスペシャル・リレーション続篇!!

「獣はかくしてまぐわう」あらすじ

沙野先生の作品はいくつか拝読しており、レビューもしたりしているのですが、

↑こっちは全3巻、全部レビュー記事を書いております。

個人的にやっぱり好きだし印象に残っているのは、「狂犬と野獣」のシリーズなんですよね。

あなたの公安はどこから?
私は「狂犬と野獣」から!
もともとミステリで育ってきた節があるので、警察モノは割と手に取るジャンルです。
バディ関係が好きなこともあり、協力者(エスってやつですね)との関係だとか、敵対組織に捕まってピンチ! だったりとか、そういうのに萌えを感じるタイプです。

バディものBL、これまでレビューしてきた本だと、

この辺りですかね。

バディ萌えの方はぜひ、沙野先生のこちらのシリーズ、おすすめします!

最近、図書館でも警察もののミステリを借りてきて読んでいます。

警察内のバディ関係って先輩・後輩間のことが多いっぽいですね。
この作品の中でも、コツメカワウソ・・・・・・こと、早苗くんという後輩ちゃんが、受けの鹿倉の相棒として登場しますね。
雰囲気がハードボイルドで薄暗いイメージが多い話なので、このカワウソちゃんが出てくると、とてもホッとします。
一服の清涼剤とはこのことか。

同等、むしろ鹿倉よりも強い立場にいるゼロとのバディ関係は、辛口デヒリヒリします。
お互いに飼い、飼われ合っているというのがまさしくぴったりな表現。
甘いラブラブなBLも大好きなんですが、ダークでビターなBLも好きです。

特に今回は、ゼロに守られてばかりの自分をふがいなく思い、まぁいろいろ無茶をする。
生理的に受け付けない権力者(検事の桐山)に触られ舐められ・・・・・・。
あ、だからNTR耐性ない人は気をつけてくださいね。
沙野先生の話って、結構受けがモブレ未遂に遭うことが多いような?
特に警察ものだと強い受けなので(力もそうだし、国家権力という意味合いも多少ある)、罠にはめられたりして痛い(エロい)目に遭っている気がしますね。

この「よかれと思って」「お前ひとりに戦わせるわけにはいかない」って言って余計なことをするムーブ。
(ゼロは「今回の件に関わるな」と釘をさしている)
ラノベでヒロインがこういう動きをすると叩かれるんですけど、まぁBLでもね! 
お前何をしてんねん!
って、読み手の私はツッコミを入れたくなりますが、いや、でもさぁ・・・・・・そうでもしないと、話進まないんだよ。
受けと攻め(ヒロインとヒーロー)が全然絡まずに一冊終わっちゃうんだよ・・・・・・
と、書き手の私は思うのでした。

「愛してる」とかそういう甘い言葉のやりとりはほとんどなくて、利害関係とか信頼関係を突き詰めていった先にあるのが愛なんだなあ、とぼんやり思いました。
張り詰めた関係だからこそ、「また旅行へ行こう」なんていう、何気ない誘い文句が、鹿倉だけじゃなくて、読者である私の胸にも届きました。敵組織の壊滅まで追うしかないなあ、こりゃ。
私もゼロと鹿倉の旅に同行させてもらいましょう。

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