『銀色きつねは愛されアルファ』(葵居ゆゆ)

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レビュー

幻冬舎BLの日ということで、電子書籍で購入しました。

何買おうかな~、普段は文庫ばっかり買っちゃうから、新書を買おう!
と決めて買った一冊がこちら。

『 銀色きつねは愛されアルファ』(葵居ゆゆ)

↑Amazonの電子書籍ページに飛びます。

オメガバースのね、勉強を……しようと思って買いました。

いえ、嘘です。
勉強ならば、アルファ×オメガの王道溺愛モノを買うべき。
(もう一冊はアルファ×オメガを購入)

これは完璧に趣味です!

私はオメガバースの中だと、ベータが中心になる話が好きなんですよっ!
受けでも攻めでもどちらでも!

ということで、こちらの作品は優しいベータ×不器用なアルファです。
ありがとうございます!

購入前に一点注意しておきたいのは、一般的なオメガバース設定(オメガは男女の別なくアルファの子を妊娠することができる)とは違うということ。

こちらの作品では、妊娠・出産できないのはベータ男性のみ。
つまりアルファ男性も妊娠できるんですね。

「アルファ受けは好きだけど、アルファの妊娠は……」という方は避けた方が無難です。
(もっとも、作中に妊娠・出産描写はありませんが)

キツネの半獣が生まれることがある家系の中でも、唯一の銀ぎつねである凛一。
優秀だと謳われるアルファなのに、勉強も運動もイマイチ。
しかも育った環境によって無表情で口下手で友人も一人もいない……。

コンプレックスだらけの凛一が、唯一普通に話しかけてくれる移動コーヒーの店主・吉見に「恋人のフリをしてほしい」というシーンから、物語は始まります。

凛一とは対照的な吉見との会話シーンが、二人の違いを表していてとても好きです。
よく喋る吉見と、ぽつりぽつりと話す凛一。
カワイチハル先生の柔らかいイラストも相まって、凛一は無表情無口でも、怖いという印象はそもそもないのですが、喋ると可愛い以外の言葉が出てこないです。

特に好きなのは、初めてのデートではたどたどしく言わされていた、「吉見くんのコーヒーの方が美味しい」を、自然に言うことができた場面ですね。
凛一の緊張というか、呪縛のようなものが解けた瞬間だと感じました。


作中に、こんな文章が出てきます。

 本当は特別かどうかなんて、オメガだとかベータだとかに関係なく、二人のあいだで決まることなのに。

『銀色きつねは愛されアルファ』本文

また、吉見のセリフにも、

 運命のつがいだっていないし、約束された特別さなんてなにもない、どうせベータは『その他大勢』にしかなれないんだって思うと、しんどかった。

『銀色きつねは愛されアルファ』本文

というものがあります。

私がアルファ×オメガの運命の番よりも、ベータの絡む話を好むのは、この「特別」という言葉によるものだと思いました。

アルファとオメガだけに運命が用意されているのは、なぜでしょうか。
よりよい子孫の生殖のためでしょうか。
動物的な本能によって決まる運命よりも、私はそれを乗り越える恋人たちの方がずっと好き。

コンプレックスだらけの美人が溺愛されて、一歩ずつ進んでいく話が好きな方にオススメ。

ちなみに電子書籍には限定ssがついています。
私がいつも利用しているhontoでは、上記ssに加えてもう一本、honto限定ssがついているのでちょっぴりオトクです。
(エッチシーンもありです)

↑hontoの電子書籍購入ページに飛びます。
hontoはしょっちゅうクーポン配布されるので、オススメです。
私は基本的にhontoを使っています。



実はこちらの作品、スピンオフらしいのですが、これ一冊でもじゅうぶん楽しめます。
作中にゲスト出演した二人の話が読みたい方は、『愛されオメガの幸せごはん』を。
私もいずれ購入したいと思います。

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