サスペンス

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ライト文芸

業火を刻めよ(19)

<<プロローグから読む! <18話  タオルの海の中に転がっていたウサギには、外の音は拾いにくかったようだ。ヒカルが桃子と何かを話していることは集音マイクが拾っていたが、中身までは気づいていなかった。  桃子の方よりも、自分の問題の方が厄介...
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業火を刻めよ(18)

<<プロローグから読む! <17話  月曜日。珍しく桃子の方が先に、公園に来ていた。先日の風見の件もあって、ヒカルはしばらく、声をかけずに離れたところから見ていた。  彼女は鞄から取り出したのは冊子だった。教科書やノート、参考書の類ではない...
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業火を刻めよ(17)

<<プロローグから読む! <16話  桃子の通う学校は女子校だ。ヒカルが周辺をうろちょろするのは、通報される可能性が高いと見て、学校周辺の監視はエリーに免除された。その代わり、放課後は毎日、通学路で桃子の帰りを待つ。  待ち伏せしている気持...
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業火を刻めよ(15)

<<プロローグから読む! <14話  翌日、ヒカルは手洗いして、黒田に借りて慣れない手つきでアイロンがけまでしたハンカチを手に、桃子と出会った場所の周辺を、うろうろしていた。無論、一人ではなくて、スポーツバッグの中から顔を出したウサギのぬい...
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業火を刻めよ(14)

<<プロローグから読む! <13話 「奥沢くんの担当の、娘の桃子さんの方だけどね。彼女は優等生だし、規則正しい生活を送っているから、尾行は楽だと思うよ」  少しでも危険だと思ったら、潜入をそこで諦めることをエリーと確認していた黒田に言われ、...
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業火を刻めよ(13)

<<プロローグから読む! <12話  黒田が住む一軒家は、生まれたときから集合住宅でしか暮らしたことのないヒカルにとっては、ただでさえ物珍しい。  まして二十二世紀現在であれば、文化財として指定されているような、この時代であっても「レトロ」...
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業火を刻めよ(11)

<<プロローグから読む! <10話  しばらくその場でぼうっとハンカチを見つめたままでいたヒカルだったが、唐突に思い出した。 (そうだ、スポーツバッグ……!)  確か、エリーはスキップが完了したらすぐに開けろと言っていたっけ。やばい。どのく...
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業火を刻めよ(10)

<<プロローグから読む! <9話  一、二、三。  視界を閉ざした状態で、念じる。跳びたい時間と、場所を思い浮かべる。  二〇一八年二月一日、時刻は午後三時。場所は、東京都足立区の、龍神之業の本拠地近く。  時間については正確に跳ぶことがで...
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業火を刻めよ(8)

<<プロローグから読む! <7話  翌日、早朝。  最低限の身の回りの物だけ詰め込んだリュックと、携帯端末を前にして、ヒカルは黙っていた。  携帯、といっても発信専用のようなものであり、電話着信はおろか、メッセージの着信すら、宣伝の類しか来...
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業火を刻めよ(7)

<<プロローグから読む! <6話  医務室へ戻ると、ヒカルは自分用に用意された机に突っ伏した。 「マジでか……俺、もうちょい先になると思ってたわ」  少なくとも一ヶ月は、エリーについてみっちり研修を受けてからの初出動だと信じていた。 「なぁ...
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