ライト文芸 不幸なフーコ(6) <<はじめから読む! <5話 「今日も天木んちに寄ってきたのか?」 放課後の私の行動を見てきたかのように言うが、中学からの習慣を知っているだけだ。 「そうだけど」 何か悪いことでも? という態度を崩さない私に、哲宏は深く溜息をついた。 ... 2022.05.02 ライト文芸不幸なフーコ長編小説
ライト文芸 不幸なフーコ(5) <<はじめから読む! <4話 風子を家まで送り届けた。 高度経済成長期、という歴史の授業でしか知らない時代に、この辺りは開発され、住宅が並び立ったという。 彼女の家は、その頃に建てられたもので、外観は当時のままだ。近所の小学生たちは、... 2022.05.02 ライト文芸不幸なフーコ長編小説
ライト文芸 不幸なフーコ(4) <<はじめから読む! <3話 ひらり手を振って教室を後にする。茅島さんは結局戻ってこなかった。たぶん、教室が無人になってから、こそこそと鞄を取りに戻ってくるに違いない。合わせる顔もないだろうから。 三階の教室を出て、早足で階段を降りる。... 2022.04.24 ライト文芸不幸なフーコ長編小説
ライト文芸 不幸なフーコ(3) <<はじめから読む! <2話 進学した高校は、公立高校の滑り止めとして機能しているような学校だ。特進コースですらそんな有様だから、クラスの何人かは新学期への期待感ゼロの、沈んだ顔をしていた。 中学の同級生の茅島さんは、まさしくそのタイプ... 2022.04.24 ライト文芸不幸なフーコ長編小説
ライト文芸 不幸なフーコ(2) <<はじめから読む! 「天木あまぎ風子! 四つ葉のクローバーを見つけるのが得意です!」 一学年二クラスしかない小学校だった。一度も同じクラスになったことがない同級生であっても、顔見知りだし、昼休みには、クラスの垣根を越えて遊んでいた。 ... 2022.04.23 ライト文芸不幸なフーコ長編小説
ライト文芸 不幸なフーコ(1) ぬるい風が、真新しいスカートを翻していく。中が見えるのだけは阻止しなければならない。視界内に人影は見当たらないが、どこで誰が見ているか、わからないのだから。 「フーコ。そろそろ行かないと。入学式から遅刻は、シャレにならないって」 傷ひとつ... 2022.04.22 ライト文芸不幸なフーコ長編小説