ライト文芸 高嶺のガワオタ(22) <<はじめから読む! <21話 その日の飛天は早起きだった。つい先日までのニート生活が嘘のように、規則正しい生活を送っているものの、さすがに六時に起きたのは、高校生以来のことだ。 すでに起きていた母親がぎょっとして、「ちゃんと眠れたの?... 2020.09.23 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ
ライト文芸 高嶺のガワオタ(21) <<はじめから読む! <20話 すべてのショーが終了して、後片付けも終わり。一部の人間を除いて現地解散のため、飛天は映理と待ち合わせていた。 彼女が指定してきたのは、近くにある喫茶店だ。メジャーなチェーン店ではないあたり、飛天のこれまで... 2020.09.22 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ
ライト文芸 高嶺のガワオタ(20) <<はじめから読む! <19話 デビュー日の天気予報は、晴れ。気温も高くなるようで、スーツを着てアクションをするのは大変そうだが、雨で中止になったり、やれても客がほとんどいなかったりするよりは、全然マシだ。 指折り数えてその日を待ち望ん... 2020.09.22 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ
ライト文芸 高嶺のガワオタ(19) <<はじめから読む! <18話 水曜日の全体練習および裏方の人間も含めたミーティング前に、高岩に背中を叩かれた。 「いっ……でぇぇ」 彼は自分の馬鹿力に自覚がないのか、飛天は毎回、痛みに七転八倒する。背中に手形がべったりとついているんじ... 2020.09.22 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ
ライト文芸 高嶺のガワオタ(18) <<はじめから読む! <17話 週末のどちらかは潰れるし、平日は平日で、映理の方が大学の講義がある。なので、この一か月、ほとんど映理とは直接顔を合わせていない。 ひとつ進歩があったとすれば、電話でのやり取りが増えたことだ。文字に残るトー... 2020.09.21 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ
ライト文芸 高嶺のガワオタ(17) <<はじめから読む! <16話 体力には自信があった。それこそ五年くらい前は、地獄のようなダンスレッスンにも耐えてきたし、先輩たちのバックで笑顔で踊り続けることもできた。 だが、アクションの練習とは違う筋肉を使っているのか、それとも単純... 2020.09.21 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ
ライト文芸 高嶺のガワオタ(16) <<はじめから読む! <15話 ただのニートだった飛天が、毎日外に出るようになった。両親は――特に母は泣いて喜び、妹は「明日は雨?」と言い出す始末だった。 「梅雨入りしたから毎日雨だろ」 ここ最近は、コミュニケーション能力もずいぶん回復... 2020.09.21 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ
ライト文芸 高嶺のガワオタ(15) <<はじめから読む! <14話 飛天が映理を呼び出したのは、それから二週間後のことだった。六月に入り、梅雨前線の北上が毎朝のニュースの話題に上がるようになっていた。 静かにドアが開いた気配を背後で察知したが、飛天は目の前のことに集中する... 2020.09.20 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ
ライト文芸 高嶺のガワオタ(14) <<はじめから読む! <13話 結局飛天は、その日のうちに連絡ができず、週末の予定はなしになった。映理の方から誘ってきてくれても……と思わなくもないが、「あそこに行きたい」と言われても、叶えられない自分に、とことん嫌気がさす。 朝食後も... 2020.09.20 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ
ライト文芸 高嶺のガワオタ(13) <<はじめから読む! <12話 国立西洋美術館だとか、新国立美術館だとか、そういうメジャーな場所を外してのデートには、限界があった。 飛天はスマートフォンを手にしたまま、深い溜息をつく。 個人経営の小さな美術館やギャラリーは、頻繁に展... 2020.09.20 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ