「末っ子オメガ、獣人王の花嫁となる」(貴津)

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レビュー

10月の読了本です。

「末っ子オメガ、獣人王の花嫁となる」(貴津)

去年の角川ルビー小説大賞の読者賞を受賞した作品です。
カクヨム経由の応募って見たような気がします。
(気のせい?)

カクヨム投稿だからか、オメガバースの割にはエッチシーンが少なめ(オメガバースへの偏見)です。
途中で発情期になるのですが、あんななりで実は童貞(大切なことなので太字にする)の渾沌様が、自分の腕を傷つけてまで行為に及ばないのは、とてもよかった。
「そういうのは手順を踏んで!」という受けの言い分を聞き入れているのに、愛を感じる。
だいたい発情期→エッチが普通ですからね、オメガバース。
新鮮でした。

獣人アルファ×人間オメガの中華風ファンタジー。
中華モノって単純に名前を音読みするものが多い印象ですが、こちらは中国語読み・・・・・・覚えられるわけないだろー!
一応章ごとに初出の場合はふりがなを振ってくれている親切設計なのですが、それでもすぐ頭から抜けてしまうので、すべて音読みしていました。

特に何度も頭の中でごっちゃになったのが、「銀兎」(攻めの渾沌の側近で蛇っぽい獣人)と「銀狐」(受けのお兄ちゃん)ですね。
どうして両方「銀」なのだ・・・・・・どっちか「金」にしてくれよ・・・・・・。
いや、名前は大事だし、ふたりとも重要人物だから、作者が意図してこの名前をつけているので、私がとやかく言う筋合いはないのですが。

人種違い、身分違い。
これで二重の障壁だと思いきや、実は渾沌様が普通の獣人ですらなかった、という真相が判明し、寿命差もあるよ~、と。
寿命違いのBLを大好物としている(自作にもある)私。
解決しない方が切なくて好き。
この話は解決するタイプですが、その方法がちょっとチート寄りであっさりしているかな?
まぁ、そこまでの過程で受けの青蓮の目が見えなくなったりと試練が合ったので、ご褒美ということでいいか。

ようやくのエッチシーンで、青蓮が
「渾沌様と同じ匂いになりたいです」
って言ったところで、渾沌様と一緒に大爆発しました。萌えが。

個人的にはオメガバースとはいえ、中華モノで突然「アルファ、ベータ、オメガ」は違和感があってあんまり好きじゃないです。
自分で書くならどういう名称にしようかなあ、と考えるのでした。

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