『傭兵の男が女神と呼ばれる世界』(野原耳子)

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レビュー

一気に秋めいて……というか、冬!? っていう感じの気候になりましたね。

読書と執筆に励む秋になりそうです。

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『傭兵の男が女神と呼ばれる世界』

本日紹介したい本はこちら。

『傭兵の男が女神と呼ばれる世界』

37歳、傭兵稼業の主人公が異世界トリップ先で、何の因果か「女神」と呼ばれる話です。

作者の野原耳子さんは、これまでに何作もの名作BLを個人で電子出版されていますが、こちらが商業デビュー作となります。

耳子先生(商業出版した方はもれなく先生という敬称)、デビューおめでとうございます。

↑耳子先生の個人出版の名作です。

傭兵稼業の尾上雄一郎(37)。
手榴弾の爆破により、死を覚悟していたが、目を覚ますと見知らぬ世界に――。

いい年をしたオッサンが異世界トリップは珍しくない。
そしてそのオッサンが異世界の住人たちに愛されるのも珍しくない。
(と、思うんですけどどうなんでしょうか昨今……)

しかしこの小説のオッサン主人公、一味違います。
口が悪い。性格が悪い。
戦闘狂ですか? というくらい、戦争とそれで稼げる金のことしか考えていない。

オッサン受けといえば、

・「僕なんか、君にふさわしくないよ……」な可愛いオッサン
・「さて、君は僕を満足させられるかな……」な妖艶オッサン

のどちらか(というか、基本的に私は前者しか読んでないような気が…?)のイメージですが、雄一郎はどちらにも属しません。
強いて言うなら後者寄りかもしれませんが、別に彼自ら誘ってるわけじゃないしな……。

攻めは白い美形が二人。
女神に奉仕する者として選ばれた優しげ美人(しかし執着系)のテメレア。
正しき王として選ばれたものの未熟な子供でしかない(合法ショタ)のノア。
攻めが二人と聞いて、「なるほどー。で、どっちと先にヤるんですか?」と思ったら、最初のエッチシーンから3Pでした……強い。

私はノア派ですね、現状。
ワガママっぽい坊ちゃんが、黒の女神・雄一郎の導きによって兄王たちを打ち倒し、どんな王様になるのかワクワクします。
ただ、雄一郎が露悪的なので悪影響を受けないか心配です。
(もはや手遅れだろうか)

元々がweb小説なので、この巻では完結しておりません。
まだ最初の戦いが終わったところなのですが、これからどんな風に展開するのかワクワクが止まりません。
雄一郎の過去も気になります……ものすっごく気になります。
(なので続きが刊行されることを心から願っております……)

個人的にはゴートの復讐が無事に遂げられるのかが気になります。
己と同じ心の傷を持つ彼の行く末を、雄一郎はどう見守るんだろう。
ゴート、復讐終わったら死にそうな気配を感じてとても不安です……。

耳子先生は、自分の萌えるものを追求して小説を書いてらっしゃいます。
一見すると受けには見えない雄一郎しかり、人間態のない化物受けのチカテルしかり。
自身の萌えをあらんかぎりに叫び、爆発させているけれど、ちゃんと読者にも共感させられる。
そんな力を持った稀有な作者さんだと思います。

私も読者を共感させる筆力が欲しい……精進します。

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