ライト文芸 星読人とあらがう姫君(29) <<はじめから読む! <28話 「お前を混乱させないために、出会ったときの夢を見せていたから……気づかなかっただろう」 小さい頃のお前も可愛いな、と彼は言う。間に挟まれた「も」という文字の意味に一瞬遅れて露子は... 2020.08.19 ライト文芸星読人とあらがう姫君長編小説
ライト文芸 星読人とあらがう姫君(28) <<はじめから読む! <27話 母が死んだあの夏の日。使用人や女房達のすすり泣く声が、遠くの空まで響いていた。母は家じゅうから愛されていた。それに比べて露子は、誰からも顧みられない。 屋敷の片隅で泣いていた露... 2020.08.19 ライト文芸星読人とあらがう姫君長編小説
ライト文芸 星読人とあらがう姫君(27) <<はじめから読む! <26話 塞ぎこんでいる露子の気づかぬ間に、秋と冬は過ぎていった。弥生の頃になって、露子はちょうど、一年前のことを思い出していた。 幸せだったな、と思う。父がいて、雨子がいて。結婚の話が... 2020.08.18 ライト文芸星読人とあらがう姫君長編小説
ライト文芸 星読人とあらがう姫君(26) <<はじめから読む! <25話 その後芳明は黙りこくって、裁きを待っていたが、露子の父は違う。どうにかして死罪を免れようと、必死になって言葉を尽くしている。だがそのいずれも、納得のできるものではない。 「私だっ... 2020.08.18 ライト文芸星読人とあらがう姫君長編小説
ライト文芸 星読人とあらがう姫君(25) <<はじめから読む! <24話 丑三つ時。辺りは暗い。露子は欠伸を噛み殺して忍んでいた。最も霊たちが騒ぎ、結界が弱まる時間だということで、術者が結界を破りここにたどり着くのであれば、そろそろだった。 「眠いのな... 2020.08.18 ライト文芸星読人とあらがう姫君長編小説
ライト文芸 星読人とあらがう姫君(24) <<はじめから読む! <23話 宮中での騒動は極秘裏に処理されて、露子は俊尚の邸宅に戻された。雨子もまた、実家から帰ってきている。露子の身に起きたことを聞いて、「我々のせいですわ!」と、今にも自害しそうだった彼女を、... 2020.08.17 ライト文芸星読人とあらがう姫君長編小説
ライト文芸 星読人とあらがう姫君(23) <<はじめから読む! <22話 喉が自由になって、露子は咳き込んだ。あまりにも急なことだったので、涙が滲むほど咳き込み、忙しなく呼吸をする。 ようやく明瞭になった視界に映ったのは、巨大な化け物だった。尾が三つ... 2020.08.17 ライト文芸星読人とあらがう姫君長編小説
ライト文芸 星読人とあらがう姫君(22) <<はじめから読む! <21話 重苦しい空気を打ち破ったのは、桜花がぱん、と一度手を打つ音だった。 「ひとまずこれで、終わりにしましょう? お姉様からいただいた乾菓子もありますし、何かお飲みになりませんか?」 ... 2020.08.17 ライト文芸星読人とあらがう姫君長編小説
ライト文芸 星読人とあらがう姫君(21) <<はじめから読む! <20話 結局呪われたというのは帝の狂言だった。問題はなぜ、そんなことをしたのかということだ。 桜花の隣に露子は座らされて、帝はその向かい側にいる。後宮では女が強い。へこへこしている帝な... 2020.08.16 ライト文芸星読人とあらがう姫君長編小説
ライト文芸 星読人とあらがう姫君(20) <<はじめから読む! <19話 実家に雨子を置いて出てきたのは、いざというときに自分の身代わりにするためだった。背格好は似ているので、具合が悪いと布団に入っていればどうにかなるだろう。夜遅くになっても帰ってきていない... 2020.08.16 ライト文芸星読人とあらがう姫君長編小説