BL 恋愛詐欺師は愛を知らない(3) <<はじめから読む! <2話 「そう、まるでゴキブリみたいな男よ……!」 「姉ちゃん姉ちゃん。それ、たとえがさすがに悪すぎる」 同じ男として、その相手に多少同情した。 佐伯さえき遼佑、と自己紹介した男は、顔だけの男だった。人を見る目は確... 2020.08.20 BL恋愛詐欺師は愛を知らない長編小説
BL 恋愛詐欺師は愛を知らない(2) <<はじめから読む! 事の発端は、姉の静によってもたらされた。早すぎる春休みに入った彼女は帰宅後、なぜか自室ではなく、まっすぐ薫の部屋にやってきた。 静は持っていたハンドバッグを、無言でぶん投げた。正確無比なコントロールで、ベッドに寝転... 2020.08.20 BL恋愛詐欺師は愛を知らない長編小説
恋愛詐欺師は愛を知らない 恋愛詐欺師は愛を知らない(1) 恋人たちがロマンティックな時間を過ごす、夜の十時。窓からは、横浜・みなとみらい地区の夜景が美しく見えるのだが、部屋の主たちには関係がなかった。 とはいえ、お互いにお互いしか見えない、などという甘い理由ではない。一人はベッドの上に転がされて... 2020.08.20 恋愛詐欺師は愛を知らない
ライト文芸 星読人とあらがう姫君(29) <<はじめから読む! <28話 「お前を混乱させないために、出会ったときの夢を見せていたから……気づかなかっただろう」 小さい頃のお前も可愛いな、と彼は言う。間に挟まれた「も」という文字の意味に一瞬遅れて露子は気がついて、頬が熱くなった。... 2020.08.19 ライト文芸星読人とあらがう姫君長編小説
ライト文芸 星読人とあらがう姫君(28) <<はじめから読む! <27話 母が死んだあの夏の日。使用人や女房達のすすり泣く声が、遠くの空まで響いていた。母は家じゅうから愛されていた。それに比べて露子は、誰からも顧みられない。 屋敷の片隅で泣いていた露子を見つけてくれたのは、年上... 2020.08.19 ライト文芸星読人とあらがう姫君長編小説
ライト文芸 星読人とあらがう姫君(27) <<はじめから読む! <26話 塞ぎこんでいる露子の気づかぬ間に、秋と冬は過ぎていった。弥生の頃になって、露子はちょうど、一年前のことを思い出していた。 幸せだったな、と思う。父がいて、雨子がいて。結婚の話が降ってわいてきて、慌ただしく... 2020.08.18 ライト文芸星読人とあらがう姫君長編小説
ライト文芸 星読人とあらがう姫君(26) <<はじめから読む! <25話 その後芳明は黙りこくって、裁きを待っていたが、露子の父は違う。どうにかして死罪を免れようと、必死になって言葉を尽くしている。だがそのいずれも、納得のできるものではない。 「私だって同じ藤原の姓を引いている、... 2020.08.18 ライト文芸星読人とあらがう姫君長編小説
ライト文芸 星読人とあらがう姫君(25) <<はじめから読む! <24話 丑三つ時。辺りは暗い。露子は欠伸を噛み殺して忍んでいた。最も霊たちが騒ぎ、結界が弱まる時間だということで、術者が結界を破りここにたどり着くのであれば、そろそろだった。 「眠いのなら、寝ていればいい」 烏の... 2020.08.18 ライト文芸星読人とあらがう姫君長編小説
ライト文芸 星読人とあらがう姫君(24) <<はじめから読む! <23話 宮中での騒動は極秘裏に処理されて、露子は俊尚の邸宅に戻された。雨子もまた、実家から帰ってきている。露子の身に起きたことを聞いて、「我々のせいですわ!」と、今にも自害しそうだった彼女を、なんとか宥めた。 部... 2020.08.17 ライト文芸星読人とあらがう姫君長編小説
ライト文芸 星読人とあらがう姫君(23) <<はじめから読む! <22話 喉が自由になって、露子は咳き込んだ。あまりにも急なことだったので、涙が滲むほど咳き込み、忙しなく呼吸をする。 ようやく明瞭になった視界に映ったのは、巨大な化け物だった。尾が三つに分かれていて、毛皮は淡く金... 2020.08.17 ライト文芸星読人とあらがう姫君長編小説