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ライト文芸

断頭台の友よ(94)

<<はじめから読む! <93話  深夜、というにはまだ早い時間であった。目を閉じたまま、数時間が経過していた。  クレマンの寝室のドアが、音を立てた。わざと蝶番は錆びさせた。どんなに注意をしていても、ギギ、と不快な音がする。普通の侵入者は慌...
ライト文芸

断頭台の友よ(93)

<<はじめから読む! <92話  オズヴァルトを家に招くことにしたのは、それから十日後のことだった。  どうぞ、と招き入れるなり、彼は挨拶もそこそこに閉口した。診療所も一時閉め、引きこもっていたクレマンの心を表すように、部屋の中も荒れ果てて...
ライト文芸

断頭台の友よ(92)

<<はじめから読む! <91話 「どうして・・・・・・!」  殺されたのは、クリスティンであった。クレマンが引き取りたいと申し出てから、わずか三日後。関係がないと言い切りたかったが、できなかった。  首斬鬼の犠牲者は、自殺志願者だ。クリステ...
ライト文芸

断頭台の友よ(91)

<<はじめから読む! <90話  待ち合わせの療育院前に辿り着いたクレマンは、おかしな様子に顔を顰めた。  行き慣れた牢獄にも似た、堅牢だが粗末な造りの建物は、時折入院患者が発狂して叫ぶ声が聞こえるものの、普段は静謐な環境である。働いている...
レビュー

愛されたがりさんと優しい魔法使い(川琴ゆい華)

12月もBL・非BLいっぱい買ったので読んでレビューしていきます。 「愛されたがりさんと優しい魔法使い」(川琴ゆい華) 雑誌ディアプラスの巻頭カラーで、「イケメンがカードキャプターになってる????」となった表題作。イケメン(笠井あゆみ先生...
ライト文芸

断頭台の友よ(90)

<<はじめから読む! <89話 「何が仕方なかった、だ! 君は知っていただろう!?」  アリス殺しの犯人を捕まえるために協力をしてくれたクリスティンは、しっかり喋っていた。知能の遅れも見受けられなかった。喋りは幼く、肉体的な発達も平均より遅...
ライト文芸

断頭台の友よ(89)

<<はじめから読む! <88話  マイユ邸に行くのはそういえば、久しぶりのような気がした。  捜査のためにいくつもの金持ちの屋敷を訪れたし、何ならギヨタンとの会合のために城にまで呼ばれたが、オズヴァルトが暮らす館は、細部にまで金をつぎ込み手...
短編小説

ひと月遅れのアドベント

黒板の横にかけられた日めくりカレンダーも、だいぶ薄くなった。日直でもないのに、今月になってから、毎朝毎朝破り捨てた甲斐があるというもの。  明日から十二月。誰もが心躍る、あのシーズンの到来。 「あ、おはよう!」 「はよ……今日も無駄に元気だ...
ライト文芸

断頭台の友よ(88)

<<はじめから読む! <87話  クリスティンとは、直接会うことがないままだった。手紙のやりとりだけを続けている。もっとも、彼女はまだ字を習っている最中だということなので、代筆の文章がサンソン邸には届けられる。 「ブリジット。クリスティンか...
イベントその他

商業化するので伝えたいマンガ『かわにさざなみ』(澄谷ゼニ子)

pixivで大好きで何度も読み返している可愛いBL漫画が商業出版されるとのことで、嬉しくなったのでご紹介いたします。 「かわにさざなみ」(澄谷ゼニ子) この漫画がどのくらい好きかというと、再録同人誌を通販するくらい。普段、同人誌はイベントで...
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