『約束の鬼嫁』(井戸正善)

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レビュー

BLグランプリ&A-1グランプリ、参加作家の皆様方、お疲れ様でした!

集計自体は昨日までの分で終わるのですが、私の読書とレビューは終わっていない!

ということで、一人勝手に延長戦をスタートします。

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『約束の鬼嫁』

今日はA-1グランプリより。

『約束の鬼嫁』

江戸時代を舞台にした剣劇アクション小説です。
時代小説に不慣れな私でも、読みやすかったです。

古閑藩が幕府から下賜された宝剣を盗んだ疑いで、牟一郎の恋人・清は自害させられた。
その遺体を前に、牟一郎自身も切腹を命じられた最中、現れた鬼。
彼女は牟一郎の先祖と交わした約束を果たすべく、清の遺体に乗り移り、疑いを晴らすべく二人で脱出する。

あらすじだけだと長編にもなりそうですが、サクッと短編です。
宝剣を盗んだのは誰か? という時代ミステリではなく、あくまでも書きたい、読ませたいのは武士として生きる誇りと剣劇の格好よさなのだと思います。
最初から牟一郎の中では容疑者が固まっているので、あとはそれを追うだけなので。
(そして割と早い段階で見つかる)

逃げ出す段階で何人も殺している牟一郎たちなので、当然追手も迫ります。
それが旧知の仲の佐野という男なのも熱い展開。
彼の手伝いをする女が妖というのも、牟一郎&鬼夜(牟一郎命名)のコンビとの対比がニクイ。

鬼夜は約定に従って、ずっと牟一郎たち一族を見守ってきたせいか、武士という生き方について理解が深いです。
一騎打ちには手出しをしません。
「鬼嫁」には間違いないし、人の理屈が通用しない部分もあるけれど、間違いなく鬼夜はいいお嫁さんだと思います。

真犯人にしても、その心情を考えると、悪くは言えないですね。
藩の上の人間が駄目。

好きなのは終章で、鬼夜の名づけをやり直すシーンです。
最初の出会いが、自分の愛した清の身体を乗っ取る……なんてものだったから、投げやりに「鬼夜」と名付けたけれど、旅を共にするうちに絆された牟一郎が、彼女につけた新しい名前は、自分の目で確認してください。
私は「上手いな~~」と感心することしきりでした。

作者の井戸正善先生は、商業小説を何冊も刊行していらっしゃいます。

あらすじ読む限り、アンチヒーローというか、主人公がヤベェ奴っぽいですね。
1巻は読み放題対象なので、この延長戦が終わったら読んでみたいと思いました。

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