「人生七周目の予言者は王弟殿下の寵愛を回避したい」(村崎樹)

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レビュー

〇〇したいというタイトルは、〇〇できなかったよ……と表裏一体なわけで。

「人生七周目の予言者は王弟殿下の寵愛を回避したい」(村崎樹)

未来を先読みする“予言者”として尊敬を集める美貌の薬師ルカ。実は25歳になると命を落とし、再び同じ世界に生まれなおすという不思議な生を生きていた。そんな人生も7回目となったある日、街で赤毛の青年騎士を助けたルカは、それが王弟ウィルフレッドであると知って慌てて逃げだすことに。なぜならウィルフレッドは、毎回ルカの死の遠因となる存在だったのだ。
ところがウィルフレッドは「予言者として力を貸してほしい」と強引にルカを城に招き、やがて熱情を向けてくるようになり…!? 死を回避するには愛する者と離れなければならない――。王弟殿下×孤独な予言者、運命の生きなおしファンタジーBL!

死に戻りモノ。
って、読むけど書くのは難しそうだな~、といつも思う。
死に戻る理由、戻った先での目的や課題設定、解決策。
多い! 考えることが多い!
(ここで「犯人たちの事件簿」の例のシーンを切り抜いて貼っておきたい)

ちなみに同じ理由で元ネタ(漫画やゲーム)アリの転生・転移モノも書くのを渋っています(笑)。
たつるん先生、両方書いてるのすごくね?

毎回、二十五歳の前日に命を落としては死に戻るという、悲劇の主人公感が強いルカですが、本人の性格のせいでそんな風には見えません。
が、単純な死に戻りではなく、出生地(というか捨てられる場所か)が毎回違い、他の人間は一度目とまったく同じ人生を送っている世界の中、ひとりだけ違うことに対する諦めにより、彼は自分の人生を軽んじています。

それまでも影だけは感じていた、自分の死の遠因ともなる王弟・ウィルフレッドに出会い、七周目の人生は変わっていきます。
運命の人を待ち続けているウィルフレッドもまた、王弟という逃れられない宿命から来る孤独感を抱えていて、ふたりは共鳴していきます。

ルカが持つ、「自分だけ役割がない孤独」も、ウィルフレッドが持つ、「役割を与えられつつも、悪意を向けられる孤独」も、現代日本でも割とあることなんじゃないかなあ、と思うわけで。

一回目の人生で、死の間際にルカが願ったことに、泣けて仕方がなかった。
彼の願いが叶ったのだということは、そこまでの物語ではっきりとわかります。
その後、当時のことを思い出して結ばれるハッピーエンドが最高だったな~。

二度目以降の150年間頑張ったんだから、動き始めた時間の中、戦って勝ち得た「ありふれた幸福」を、いつまでも失わずに生きていってほしいな、と心から願います。

・・・・・・ところで、ウィルフレッドさん童貞っぽい書き方をされていましたが、それってルカにとっての七周目の人生においての話であって、一周目についてはわかりませんよね・・・・・・?
と思ってしまったので、タグに「童貞攻め」を入れるのはやめておきます。
一周目から童貞ですよって言質が取れたら入れます(笑)。
(電子限定とか書店特典ssとかで言及されていたらごめん)

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