ファンタジー

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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(12)

<<はじめから読む! <11話  世界地図には、大きな蝶の形をした大陸が広がっている。  東の羽を支配しているのが、このセーラフィール竜王国である。西半分を領土とする烈華(れっか)獣王国とは、良好な関係を築いている。 「獣王国からは茶や絹を...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(11)

<<はじめから読む! <10話 陛下。妃教育といえば、もうひとつ……」 「必要ない」  皆まで言わせず、却下した。  カミーユが言いかけたのは、後宮に集められた妃たち全員に施される、房中術についてである。召し上げられる令嬢たちは当然、男性経...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(10)

<<はじめから読む! <9話 「それで、ベリルの状況は?」  各大臣から上がってきた稟議書を、常人には不可能な速さで速読しながら、シルヴェステルは尋ねた。声がピリピリと威圧に震えているのは、自分よりも、この側近の方がベリルといる時間が長いの...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(9)

<<はじめから読む! <8話  講義は始まりから、いきなり頓挫した。  シルヴェステルとも懇意にしている国史編纂所の所長が、歴史や政治経済についての講義を買って出てくれたのはいい。黒板の前に立った初老の男性は、柔らかな微笑を浮かべて、「初歩...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(8)

<<はじめから読む! <7話  白いシャツだけで何種類もあり、ベリルは触って比べてみるも、まるで違いがわからない。事故に遭ったときには、擦り切れたボロボロの布を纏っていただけだという話だから、シルヴェステルが心配して、必要以上に用意させたの...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(7)

<<はじめから読む! <6話  目を覚ましたベリルは、一瞬自分のいる場所を見失った。  新たに人生を仕切り直したクーリエ子爵の代官屋敷も立派なものだと思ったが、あの日割り当てられていた客間よりも、後宮の一室は広い。  昨夜は遅くに辿り着いた...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(6)

<<はじめから読む! <5話 「陛下。それは……」  時に理性は、本能に負ける。人でさえ、そうだ。まして竜は、自分の求めるものへ、躊躇なく手を伸ばす。  青年の頬は柔らかかった。突然触れられて驚き固まったが、見上げる目はやはり、濁りひとつな...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(5)

<<はじめから読む! <4話 「シルヴェステルだ。当代の竜王を務めている」  王、という言葉の持つ意味を理解している青年は、ハッとして慌てる。ベッドから起き上がり、跪こうとするのを、シルヴェステルは手で制止した。 「楽にしていてくれ」 「…...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(4)

<<はじめから読む! <3話  再び説明にやってきた医師の顔は、真っ青であった。これから処刑でもされる罪人のような表情に、何か予期せぬ事態が起きたことを悟る。叱責する口調になってしまいそうなシルヴェステルを制し、代わりにカミーユが、医師に問...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(3)

<<はじめから読む! <2話  突然、竜の姿で来訪したシルヴェステルを、クーリエ子爵は驚きつつも出迎えた。恭しく対応しようとした子爵を、人型に戻り制すると、彼はシルヴェステルの腕に抱かれて意識を失ったままの青年にすぐに気づき、屋敷の中へとす...
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