平凡受け

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臆病な牙(21)

<<はじめから読む! <20話  歩けるようになるまで休ませてもらってから、冬夜は慎太郎と連れ立って、帰路についた。  慎太郎は最初に遊びに行ったときと同じ、フル装備で出かけていた。道を歩いていても、電車に乗っていても、注目を浴びるのは冬夜...
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臆病な牙(20)

<<はじめから読む! <19話  後片付けの最中も、真相が知りたくて、そわそわしていた。だが、サークル長の自分が率先して片付けを放棄するのは冬夜の責任感が許さなかった。  粗方終わったところで、橋本と香山に呼ばれた。その場を後輩たちに任せ、...
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臆病な牙(19)

<<はじめから読む! <18話  村人たちと赤鬼が、子供たちと一緒に歌って踊っている。もうすぐエンディングだ。  子供たちは、冬夜の願いを受け取ってくれるだろうか。今は意味がわからなくても、近い将来、思い出してくれるのなら、それでいい。  ...
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臆病な牙(18)

<<はじめから読む! <17話  冬夜が子供たちに向けた劇の題材として選んだのは、『泣いた赤鬼』だった。 『はぁ……僕は村の人たちと、仲良くなりたいだけなのに……』  主人公の赤鬼は、香山にやってもらった。無邪気で愛らしい顔立ちの香山に、子...
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臆病な牙(17)

<<はじめから読む! <16話 「月島、準備できてる?」  準備用に割り当てられた小部屋がノックされた。ああ、と言いながら外に出る。香山は冬夜の姿を認めて、ぷっと噴き出した。 「お前ぇ、笑うなよ」 「いやぁ、だって似合いすぎでしょ」  そう...
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臆病な牙(16)

<<はじめから読む! <15話  駅前のコンビニを見る度に、慎太郎のことを思い出して悲しくなってしまうので、冬夜は昼間であっても、店に立ち寄らなくなった。  不便といえば不便だが、電車に乗る前に買い物を済ませてしまえば、わざわざ行く必要もな...
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臆病な牙(15)

<<はじめから読む! <14話  店を出て、二次会に行くグループと帰宅するグループに分かれる。当然、冬夜は帰ろうとしていたのだが、橋本が首に腕を巻きつけてきた。 「おい橋本……苦しいっての」 「なんだよー。帰るのかよ! 今日全然話してねぇじ...
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臆病な牙(14)

<<はじめから読む! <13話  また来週、という約束は、反故にされた。  コール音だけが、むなしく耳元で響いている。学生会館の廊下で、誰もいないことをいいことに、冬夜は小さく舌打ちをして、通話を切断した。  授業後にミーティングを行い、そ...
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臆病な牙(13)

<<はじめから読む! <12話  二人で遊びに行く定番の場所は、映画館のレイトショーだ。  九月、まだ余裕で夏休み中の冬夜は、寝坊しても支障がないのをいいことに、話題の映画を慎太郎とともに、いくつも見に行っていた。 「す……っごく面白かった...
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臆病な牙(12)

<<はじめから読む! <11話 「もう、はぐれちゃだめだからな」  うん、と何度も大きく頷いて、少年は手を振りながら、その場を去って行った。ぼんやりと彼に手を振り返したままでいた冬夜の肩を、慎太郎がぽん、と叩いた。 「慎太郎……」  冬夜の...
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