断頭台の友よ

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ライト文芸

断頭台の友よ(18)

<<はじめから読む! <17話  捜査権を委任してもらうことは、覚悟していたよりも簡単であった。思わず拍子抜けした。  首斬り鬼の犠牲者が出続けていることについて、上層部からも聞き込み先の住民からも非難され、辟易していたのだろう。気に入らな...
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断頭台の友よ(17)

<<はじめから読む! <16話 「クレマン。どうか俺にも、捜査の手伝いをさせてほしい」 「オズヴァルト……」  婚約者の首を悲しげに見守っていたオズヴァルトが、頭を下げた。顔を上げてくれと声をかけるが、彼は頑として譲らなかった。クレマンが了...
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断頭台の友よ(16)

<<はじめから読む! <15話 「バロー嬢は……生きたまま、首を斬り落とされた可能性が、非常に高い」  オズヴァルトが隣で息をのむのを感じた。首斬り殺人という衝撃的な事件であるが、当然、他の手段で殺害をしてから首だけ斬ったのだと思うではない...
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断頭台の友よ(15)

<<はじめから読む! <14話  クレマンが口を塞いだのは、見覚えがあり過ぎるからだった。首のない死体は、何ら珍しいものではない。処刑という場面においては。ただ、若い娘の部屋と、首なし死体は、そう、ちぐはぐで気持ちが悪いのだ。女の死刑囚がい...
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断頭台の友よ(14)

<<はじめから読む! <13話 「血は見慣れているだろうけれど」  オズヴァルトはそう前置きした。クレマンは頷きかけて、慌てて首を横に振る。捜査官と言っても、クレマンには医者という仕事もあれば、誰にも明かしてはいないが、処刑人としての仕事も...
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断頭台の友よ(13)

<<はじめから読む! <12話  バロー商会は、糸や布を扱う卸業だ。だからこそ、マイユ家との取引があり、三男坊の婿入り先に選ばれた。その邸宅は王都の三番通りと呼ばれる、裕福な商家が立ち並ぶ場所にあった。何度か訪れたことのあるマイユ邸と比べれ...
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断頭台の友よ(12)

<<はじめから読む! <11話  食事もそこそこに放り出し、クレマンはブリジットに出かける旨を伝えた。それから、自分のものとブリジットのものと、喪服の準備をしておくように言った。  彼女はいったい誰が、という顔をしたが、憔悴しきっているわり...
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断頭台の友よ(11)

<<はじめから読む! <10話 「口に合わないかい?」 「いいや……この間参加した舞踏会の食事よりも、よほど美味いのは、知っているよ」  オズヴァルトは、女性のドレスや宝飾品の製作・販売を行う大店、マイユ商会の三男坊だ。上の二人とは母親が違...
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断頭台の友よ(10)

<<はじめから読む! <9話  食堂に行くと、オズヴァルトがテーブルについていた。目の前のスープには、手がつけられた様子はない。 「おはよう、オズ」 「クレマン!」  彼は悲壮な顔をクレマンに向けると、わずかにホッと肩から力を抜いた。すぐさ...
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断頭台の友よ(9)

<<はじめから読む! <8話  その日の朝、クレマンは雷で目を覚ましたのかと思った。  秋の雷は、稲光と轟音とともに落ち、乾燥した空気を切り裂いて火事を起こす。塔に落雷したのであれば大変だと目を覚ましたが、暗雲が立ち込めているわけでもなく、...
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