長編小説

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ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【46】

<<<はじめから読む! <<5話のはじめから <【45】  身体が重い。高校受験に卒業式、疲労が蓄積した結果か。体がバキバキで、寝返りを打とうとしたら、動けなかった。  なんで?  それに、なんだか揺れている気がする。すわ地震かと、僕は一気...
ライト文芸

ごえんのお返しでございます【45】

<<<はじめから読む! <<5話のはじめから <【44】 「姉さん、なんか今日、嬉しそうだね」  自分のイベントでもないのに。  僕の溜息交じりの問いかけに、姉は、「うふふふふ」という笑い声を噛み殺す気がない様子で、にやにやしながら頷いた。...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【44】

<<<はじめから読む! <<5話のはじめから <【43】  大輔と渚に、一緒に帰宅した。家にいた母は、「おかえり」と同時に、目を丸くした。  僕が外出してからも、度々思い出しては泣いたのだろう痕跡が、ありありと残っている。ふたりをもてなそう...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【43】

<<<はじめから読む! <<5話のはじめから読む <【42】  呼吸が整ったところで、僕は母に、「もう大丈夫だから」と言い残して、大輔のところへ行くと告げた。  行先を言うなんて、学校で指導されたときには、小学生みたいだと思った。けれど、こ...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【42】

<<<はじめから読む! <【41】  予定通り、一日で退院した。母が迎えに来てくれて、僕はスマートフォンを彼女に渡す。いっそのこと壊してしまえれば、と思ったが、自分の金で買ったものではないから、気が引けた。  家に着いてからも、あれこれと世...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【41】

<<<はじめから読む! <【40】 第五話 切っては紡ぎ、紡いでは切り  意識をなくした僕は、病院に運ばれた。  目が覚めたとき、見慣れない天井なのに、嗅ぎ慣れた匂いがしたのは、毎月姉の代わりに通っている病院だったからだ。 「紡!」  目の...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【40】

<<<はじめから読む! <<4話のはじめから <【39】  遠藤の事件は、学校でも問題として取り上げられた。  夏休み中にも関わらず、緊急の全校集会を開き、「出かけるときはどこに誰と行き、何時に帰宅するか必ず告げること」という、小学生にもイ...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【39】

<<<はじめから読む! <<4話のはじめから <【38】  一週間ぶりの店は、相変わらずだった。埃っぽくなったりもないので、僕の存在意義がいよいよ危うい。徹底して掃除をしてやろう、と箒を手に取る。  文化祭の準備で学校に行く以外にも、大輔に...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【38】

<<<はじめから読む! <<4話のはじめから <【37】  もうちょっといけば暴力、というレベルの八つ当たりからどうにか逃げだし、僕は教室を出た。  遠藤は、まだ戻ってきていなかった。本当に先生に捕まっている可能性はある。何せ彼女は、断れな...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【37】

<<<はじめから読む! <<4話のはじめから <【36】  我が高校の文化祭は、九月が始まってすぐ開催される。始業式が一日、文化祭はその週の土日。したがって、夏休みも返上して準備をしなければならないという、少々面倒な学校であった。  もちろ...
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