ライト文芸 断頭台の友よ(19) <<はじめから読む! <18話 「被害者の人数の割に、資料が少ないような気がする」 クレマンも感じていた当然の疑問に、オズヴァルトも行きついていた。上司から引き継いだ資料を見たときは、思わず「これだけですか?」と尋ねてしまったくらいだ。イ... 2021.10.09 ライト文芸断頭台の友よ長編小説
ライト文芸 断頭台の友よ(18) <<はじめから読む! <17話 捜査権を委任してもらうことは、覚悟していたよりも簡単であった。思わず拍子抜けした。 首斬り鬼の犠牲者が出続けていることについて、上層部からも聞き込み先の住民からも非難され、辟易していたのだろう。気に入らな... 2021.10.09 ライト文芸断頭台の友よ長編小説
ライト文芸 断頭台の友よ(17) <<はじめから読む! <16話 「クレマン。どうか俺にも、捜査の手伝いをさせてほしい」 「オズヴァルト……」 婚約者の首を悲しげに見守っていたオズヴァルトが、頭を下げた。顔を上げてくれと声をかけるが、彼は頑として譲らなかった。クレマンが了... 2021.10.08 ライト文芸断頭台の友よ長編小説
ライト文芸 断頭台の友よ(16) <<はじめから読む! <15話 「バロー嬢は……生きたまま、首を斬り落とされた可能性が、非常に高い」 オズヴァルトが隣で息をのむのを感じた。首斬り殺人という衝撃的な事件であるが、当然、他の手段で殺害をしてから首だけ斬ったのだと思うではない... 2021.10.08 ライト文芸断頭台の友よ長編小説
ライト文芸 断頭台の友よ(15) <<はじめから読む! <14話 クレマンが口を塞いだのは、見覚えがあり過ぎるからだった。首のない死体は、何ら珍しいものではない。処刑という場面においては。ただ、若い娘の部屋と、首なし死体は、そう、ちぐはぐで気持ちが悪いのだ。女の死刑囚がい... 2021.10.08 ライト文芸断頭台の友よ長編小説
ライト文芸 断頭台の友よ(14) <<はじめから読む! <13話 「血は見慣れているだろうけれど」 オズヴァルトはそう前置きした。クレマンは頷きかけて、慌てて首を横に振る。捜査官と言っても、クレマンには医者という仕事もあれば、誰にも明かしてはいないが、処刑人としての仕事も... 2021.10.08 ライト文芸断頭台の友よ長編小説
ライト文芸 断頭台の友よ(13) <<はじめから読む! <12話 バロー商会は、糸や布を扱う卸業だ。だからこそ、マイユ家との取引があり、三男坊の婿入り先に選ばれた。その邸宅は王都の三番通りと呼ばれる、裕福な商家が立ち並ぶ場所にあった。何度か訪れたことのあるマイユ邸と比べれ... 2021.10.07 ライト文芸断頭台の友よ長編小説
ライト文芸 断頭台の友よ(12) <<はじめから読む! <11話 食事もそこそこに放り出し、クレマンはブリジットに出かける旨を伝えた。それから、自分のものとブリジットのものと、喪服の準備をしておくように言った。 彼女はいったい誰が、という顔をしたが、憔悴しきっているわり... 2021.10.07 ライト文芸断頭台の友よ長編小説
ライト文芸 断頭台の友よ(11) <<はじめから読む! <10話 「口に合わないかい?」 「いいや……この間参加した舞踏会の食事よりも、よほど美味いのは、知っているよ」 オズヴァルトは、女性のドレスや宝飾品の製作・販売を行う大店、マイユ商会の三男坊だ。上の二人とは母親が違... 2021.10.06 ライト文芸断頭台の友よ長編小説
ライト文芸 断頭台の友よ(10) <<はじめから読む! <9話 食堂に行くと、オズヴァルトがテーブルについていた。目の前のスープには、手がつけられた様子はない。 「おはよう、オズ」 「クレマン!」 彼は悲壮な顔をクレマンに向けると、わずかにホッと肩から力を抜いた。すぐさ... 2021.10.06 ライト文芸断頭台の友よ長編小説