孤独な竜はとこしえの緑に守られる

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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(17)

<<はじめから読む! <16話  玉座に並んで座る。本来は、正式に結婚した正妃しか座ることの許されない椅子だが、シルヴェステルはベリル以外を娶ることはないと宣言した。寵愛の深さに溜息をついた貴族たちだが、羨望の色はなかった。どうせ最初から、...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(16)

<<はじめから読む! <15話  ベリルは大広間の外にいた。中から漏れてくるのは、シルヴェステルの凜と張った大きな声のみである。いつもは小うるさい(らしい。シルヴェステルはよく、ベリルやカミーユに愚痴を言う)貴族たちも、公式の場ではおとなし...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(15)

<<はじめから読む! <14話 「カミーユ?」 「陛下。お耳にお入れしたいことが」  一応、神官長の存在は忘れていなかったらしく、カミーユは会釈した。それからすぐにシルヴェステルに向き直ると、こっそりと耳打ちをする。 「ベリル様のお衣装が」...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(14)

<<はじめから読む! <13話  前々日、前日と、地方の領主たちが王都の別宅へと入り、王城へ挨拶にやってきた。慇懃な彼らの言葉と態度を、内心辟易としながらも、そうは見せずに威厳を持って、シルヴェステルは受け入れた。  あと一組で今日の予定は...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(13)

<<はじめから読む! <12話  ベリルを拾ってから、あっという間に二ヶ月が経とうとしている。  短い秋は過ぎ、先日はとうとう霜が降りた。収穫期が終われば、貴族たちの社交シーズンの冬だ。  最初に開く夜会は、竜王の主催と決まっており、セーラ...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(12)

<<はじめから読む! <11話  世界地図には、大きな蝶の形をした大陸が広がっている。  東の羽を支配しているのが、このセーラフィール竜王国である。西半分を領土とする烈華(れっか)獣王国とは、良好な関係を築いている。 「獣王国からは茶や絹を...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(11)

<<はじめから読む! <10話 陛下。妃教育といえば、もうひとつ……」 「必要ない」  皆まで言わせず、却下した。  カミーユが言いかけたのは、後宮に集められた妃たち全員に施される、房中術についてである。召し上げられる令嬢たちは当然、男性経...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(10)

<<はじめから読む! <9話 「それで、ベリルの状況は?」  各大臣から上がってきた稟議書を、常人には不可能な速さで速読しながら、シルヴェステルは尋ねた。声がピリピリと威圧に震えているのは、自分よりも、この側近の方がベリルといる時間が長いの...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(9)

<<はじめから読む! <8話  講義は始まりから、いきなり頓挫した。  シルヴェステルとも懇意にしている国史編纂所の所長が、歴史や政治経済についての講義を買って出てくれたのはいい。黒板の前に立った初老の男性は、柔らかな微笑を浮かべて、「初歩...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(7)

<<はじめから読む! <6話  目を覚ましたベリルは、一瞬自分のいる場所を見失った。  新たに人生を仕切り直したクーリエ子爵の代官屋敷も立派なものだと思ったが、あの日割り当てられていた客間よりも、後宮の一室は広い。  昨夜は遅くに辿り着いた...
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