ライト文芸

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断頭台の友よ(64)

<<はじめから読む! <63話  医者は呼ばれていたが、クレマンよりも若い男で、その師は外科的治療しか教えていないらしい。彼らは具合が悪いときは瀉血だ! という悪い病気にかかっている。  刃の薄い手術用ナイフを取り出した瞬間に、クレマンは思...
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断頭台の友よ(63)

<<はじめから読む! <62話  クレマンはあまりの凄惨さに吐き気を覚えた。死体には慣れている。大人の死体には。  血の海の中にごろごろと転がるのは、人形ではない。つい数時間前までは生命を宿していた抜け殻だ。クレマンは吐き気を堪えて、死体の...
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断頭台の友よ(62)

<<はじめから読む! <61話  せっかく手に入れた手がかりであったが、犯人まで到達できなかったことに、クレマンは憤った。  あれから平謝りに徹したクレマンを、司祭は快く許した。傷は他国の戦争に参加したときに負ったもので、それが原因で傭兵を...
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断頭台の友よ(61)

<<はじめから読む! <60話  首斬り鬼のしていることは、傍から見ればただの無秩序でおぞましい人殺しだが、被害者と犯人にとっては、一種の契約なのかもしれない。死にたがっている人間を殺してやったのだ、何が悪い。開き直りを感じる。  イヴォン...
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断頭台の友よ(60)

<<はじめから読む! <59話 「それでは、新しく参加されたあなたは、いかがですか?」  話を振られたオズヴァルトは、クレマンと目を合わせた。決意の色を宿した青に向かって、クレマンは小さく頷いた。 「実は先日、婚約者を亡くしまして」  悲痛...
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断頭台の友よ(59)

<<はじめから読む! <58話 「いえ。あなたのように輝いた目の持ち主は、珍しいものですから」  言われてクレマンは、さっと集会参加者たちを見回した。こちらに興味をもっている人間の目は、なるほど、暗い。当然か。ここにいるのは全員、自殺志願者...
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断頭台の友よ(58)

<<はじめから読む! <57話  四十か五十くらいの、恰幅のいい男だった。服の胸や腕周りの布が破れそうなほど突っ張っているのは、宗教者にしては珍しい。肥えに肥えた脂肪ではなく、鍛えられた筋肉でだ。  貴族の三男や四男の進路として、教会はそこ...
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断頭台の友よ(57)

<<はじめから読む! <56話  翌早朝、サンソン家に宿泊したオズヴァルトとともに馬車で出発した。最初は小回りのきく馬の予定だっただが、万が一クレマンの予想が正解だった場合、オズヴァルトが帰りも馬で帰ってこられるのか不安だったので、どうにか...
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断頭台の友よ(56)

<<はじめから読む! <55話 「それは、僕に今すぐに報告すべきことなのか?」 「おっと。夫婦の団欒を邪魔したのは悪かったよ。でも、聞いてくれよ。その集会に出てたどこぞの貴族が、首斬り鬼に殺されたっていう話なんだ」  おそらくそれは、アンベ...
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断頭台の友よ(55)

<<はじめから読む! <54話 「何に乾杯する?」  問われ、クレマンは首を傾げた。しかし、考えるまでもない。 「事件の解決を願って」 「……そう。それしかないよな」  苦笑したオズヴァルトは、グラスを掲げた。  イヴォンヌが殺されてから、...
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