ライト文芸 断頭台の友よ(64) <<はじめから読む! <63話 医者は呼ばれていたが、クレマンよりも若い男で、その師は外科的治療しか教えていないらしい。彼らは具合が悪いときは瀉血だ! という悪い病気にかかっている。 刃の薄い手術用ナイフを取り出した瞬間に、クレマンは思... 2021.11.06 ライト文芸断頭台の友よ長編小説
ライト文芸 断頭台の友よ(63) <<はじめから読む! <62話 クレマンはあまりの凄惨さに吐き気を覚えた。死体には慣れている。大人の死体には。 血の海の中にごろごろと転がるのは、人形ではない。つい数時間前までは生命を宿していた抜け殻だ。クレマンは吐き気を堪えて、死体の... 2021.11.06 ライト文芸断頭台の友よ長編小説
ライト文芸 断頭台の友よ(62) <<はじめから読む! <61話 せっかく手に入れた手がかりであったが、犯人まで到達できなかったことに、クレマンは憤った。 あれから平謝りに徹したクレマンを、司祭は快く許した。傷は他国の戦争に参加したときに負ったもので、それが原因で傭兵を... 2021.11.04 ライト文芸断頭台の友よ長編小説
ライト文芸 断頭台の友よ(61) <<はじめから読む! <60話 首斬り鬼のしていることは、傍から見ればただの無秩序でおぞましい人殺しだが、被害者と犯人にとっては、一種の契約なのかもしれない。死にたがっている人間を殺してやったのだ、何が悪い。開き直りを感じる。 イヴォン... 2021.11.03 ライト文芸断頭台の友よ長編小説
ライト文芸 断頭台の友よ(60) <<はじめから読む! <59話 「それでは、新しく参加されたあなたは、いかがですか?」 話を振られたオズヴァルトは、クレマンと目を合わせた。決意の色を宿した青に向かって、クレマンは小さく頷いた。 「実は先日、婚約者を亡くしまして」 悲痛... 2021.11.03 ライト文芸断頭台の友よ長編小説
ライト文芸 断頭台の友よ(59) <<はじめから読む! <58話 「いえ。あなたのように輝いた目の持ち主は、珍しいものですから」 言われてクレマンは、さっと集会参加者たちを見回した。こちらに興味をもっている人間の目は、なるほど、暗い。当然か。ここにいるのは全員、自殺志願者... 2021.11.03 ライト文芸断頭台の友よ長編小説
ライト文芸 断頭台の友よ(58) <<はじめから読む! <57話 四十か五十くらいの、恰幅のいい男だった。服の胸や腕周りの布が破れそうなほど突っ張っているのは、宗教者にしては珍しい。肥えに肥えた脂肪ではなく、鍛えられた筋肉でだ。 貴族の三男や四男の進路として、教会はそこ... 2021.11.03 ライト文芸断頭台の友よ長編小説
ライト文芸 断頭台の友よ(57) <<はじめから読む! <56話 翌早朝、サンソン家に宿泊したオズヴァルトとともに馬車で出発した。最初は小回りのきく馬の予定だっただが、万が一クレマンの予想が正解だった場合、オズヴァルトが帰りも馬で帰ってこられるのか不安だったので、どうにか... 2021.11.03 ライト文芸断頭台の友よ長編小説
ライト文芸 断頭台の友よ(56) <<はじめから読む! <55話 「それは、僕に今すぐに報告すべきことなのか?」 「おっと。夫婦の団欒を邪魔したのは悪かったよ。でも、聞いてくれよ。その集会に出てたどこぞの貴族が、首斬り鬼に殺されたっていう話なんだ」 おそらくそれは、アンベ... 2021.11.02 ライト文芸断頭台の友よ長編小説
ライト文芸 断頭台の友よ(55) <<はじめから読む! <54話 「何に乾杯する?」 問われ、クレマンは首を傾げた。しかし、考えるまでもない。 「事件の解決を願って」 「……そう。それしかないよな」 苦笑したオズヴァルトは、グラスを掲げた。 イヴォンヌが殺されてから、... 2021.11.02 ライト文芸断頭台の友よ長編小説