ライト文芸

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断頭台の友よ(24)

<<はじめから読む! <23話  ひとつ。遺体はすべて、首を斬り取られているのは周知のとおり。他の外傷に関しては、致命傷になりうるものは発見されなかった。  このことより、首斬り鬼はその名のとおり、単純に首を斬り落とすことではなく、「首を斬...
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断頭台の友よ(23)

<<はじめから読む! <22話  クレマンが同僚たちのところを回って情報を得ていったのと並行して、オズヴァルトはあちこちの社交の場を訪れて、被害者たちの評判について聞き回っていた。もちろん、直接「亡くなったなんとか氏のことを教えてください」...
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断頭台の友よ(22)

<<はじめから読む! <21話  オズヴァルトの描いたイヴォンヌは、紙の上に死体が蘇ったようだった。クレマンの知る一番上手い絵描きでさえ、映し出された死体には主観が入る。  こんなに屈強な男が殺されるはずがないという先入観があれば、やや細め...
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断頭台の友よ(21)

<<はじめから読む! <20話  男はクレマンの心の機微を解さない人間である。どこまでも打算的で、利己的で、神よりも金や名誉といった、現世での利益の信者であった。ゆえに、あの上司のもとでも反発せずに働くことができるのだろう。 「それで、何の...
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断頭台の友よ(20)

<<はじめから読む! <19話  非番である同僚を尋ねると、思った以上に歓迎された。狭い応接室に通され、特別なときにしか出さないという茶と茶請けが提供される。あまりの歓待に目を白黒させたクレマンに、同僚はこそこそと耳打ちをした。 「こないだ...
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断頭台の友よ(19)

<<はじめから読む! <18話 「被害者の人数の割に、資料が少ないような気がする」  クレマンも感じていた当然の疑問に、オズヴァルトも行きついていた。上司から引き継いだ資料を見たときは、思わず「これだけですか?」と尋ねてしまったくらいだ。イ...
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断頭台の友よ(18)

<<はじめから読む! <17話  捜査権を委任してもらうことは、覚悟していたよりも簡単であった。思わず拍子抜けした。  首斬り鬼の犠牲者が出続けていることについて、上層部からも聞き込み先の住民からも非難され、辟易していたのだろう。気に入らな...
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断頭台の友よ(17)

<<はじめから読む! <16話 「クレマン。どうか俺にも、捜査の手伝いをさせてほしい」 「オズヴァルト……」  婚約者の首を悲しげに見守っていたオズヴァルトが、頭を下げた。顔を上げてくれと声をかけるが、彼は頑として譲らなかった。クレマンが了...
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断頭台の友よ(16)

<<はじめから読む! <15話 「バロー嬢は……生きたまま、首を斬り落とされた可能性が、非常に高い」  オズヴァルトが隣で息をのむのを感じた。首斬り殺人という衝撃的な事件であるが、当然、他の手段で殺害をしてから首だけ斬ったのだと思うではない...
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断頭台の友よ(15)

<<はじめから読む! <14話  クレマンが口を塞いだのは、見覚えがあり過ぎるからだった。首のない死体は、何ら珍しいものではない。処刑という場面においては。ただ、若い娘の部屋と、首なし死体は、そう、ちぐはぐで気持ちが悪いのだ。女の死刑囚がい...
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